部会長挨拶
生体機能関連化学部会は1985年(昭和60年)、日本化学会の部会として設立され、30年に及ぶ歴史をもつ会です。その前身は1973年に始まった「酵素類似様機能を持つ有機化学反応の研究会」に由来します。当時、海外でのBioorganic ChemistryやBioinorganic Chemistry、Biomimetic Chemistry等の新しいバイオ関連化学の興隆の波が国内でも起こってきた時代に偉大な先輩方のご尽力によって発足しました。生体分子の機能を理解し、応用するための生体機能の模倣化学研究から始まり、タンパク質や酵素、核酸分子がテーラーメードに合成できるようになるにつれて、生体分子そのものを解析し、利用する化学研究へと広がりを見せ、生体機能の関わる最先端研究が広範囲に展開されています。本部会は、生命を化学し、応用すること、あるいは生命をインスパイアした機能性分子とそのシステムを開発する部会へと成長してきています。本部会が対象とする研究は、理学・工学・薬学・医学・農学の融合領域の課題を解決し、ますますその重要度を増していくと考えています。